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2人の休日

タイトルからすると甘いようですが、甘くないです。いつものことですがかゆい所に手が届かないみたいな(笑)よろしかったらどうぞ・・。

「じゃ、これ頼むねキョーコちゃん」
「はい!お任せ下さい」

キョーコは胸を張ってトンとたたき、社の手から蓮のマンションのカードキーを受け取ると

「失礼します」と綺麗なお辞儀をして去って行った。

社はキョーコの後姿を見送りながら大きなため息をついた。

(蓮のオフの度に家まで食事の世話しに行ったりしてて、この期に及んで何であの二人は付き合ってないんだ!?)

そう、最近キョーコは蓮のたまにしかない休みに必ず食事の用意に行っていた。それというのも蓮が1日3食摂る日はほとんどない、とついポロリと口を滑らせ、普段からキョーコが注意しているにも係わらず少しも改善されない蓮の食生活に怒り、これから休みが取れた日は必ず作りに行くと宣言したからである。今回も蓮のオフに合わせてスペアキーを借りに来たキョーコ。なかなか進展しない2人にやきもきしつつ、平和ならまあ、いいか…と今日の上がり時間を再度チェックする社だった。



蓮のごくたまにしかない休日は蓮が寝ている時にキョーコが朝食を作るべくやってくる所から始まる。
朝、蓮は1人暮らしの自分以外の気配を感じて目を覚まし、そして状況を把握し笑みが零れた。1人で住むには広すぎるこの家で、自分が動かなければ空気さえもその場に留まり揺れる事はない。そんな生活に慣れたつもりでもやはりこうして人の気配に安心するということは無意識の内に寂しさも抱えているのかもしれない。
蓮はそろりとベッドから降りて人の気配と食欲をそそる香りのする方へと向かって行った。ドアを開けるとテーブルに配膳している愛しい少女と目が合う。

「あ、おはようございます!敦賀さん、ちょうど今出来上がった所ですので召し上がりますか?」
「おはよう最上さん…そうだね食べようかな、顔洗ってくるから…」
「はい!用意しておきますね」

元気よく答え、パタパタくるくる動く様子にしばし見惚れ、つい顔が緩んでしまう蓮だった。


第3者から見るとどう見ても恋人同士の朝の風景である。でもこの二人は先輩後輩の域を出ていないのだ。蓮はこの居心地のよさに浸っていたらこれ以上進めないことも十分承知しているが、かといって1歩踏み出すことによって全てを失うかもしれないことを恐れていた。そしてキョーコもまた過去の傷が癒えつつあるのを感じていた。それはやはり尊敬する蓮の存在によって。蓮に恋愛感情はなくても彼のプライベートエリア内を許されているということは、他の人間よりは特別な位置付けにいるのかもしれない。それ以上望むのは分不相応でそれによってこの関係が壊れてしまう事が怖かった。

2人で食事をしてゆっくり過ごす。取り留めのない会話をするときもあれば演技について熱く語るときもあり、会話がないときでも居心地の悪さはなく、むしろ安心感を持っていた。
そんな休日を楽しんでいた2人だったが、ふと蓮は暫く前にベランダに出たキョーコが戻ってきていないことに気が付き窓から様子を窺った。

「・・・やっぱり」

ベランダは家が一軒建つくらいのスペースがあり、テーブルや椅子背もたれのついたベンチも置かれている。キョーコはそのベンチの一つに座っていたが、台本らしきものを広げたままこっくりこっくりと船をこいでいる。蓮は手近にあった自身の上着を持ってベランダに出た。風はあるが天気が良いので寒くはない。キョーコの手から台本を抜き取り上着をかける。

「最上さん風邪引くよ?」

肩を少し揺すってみたが起きる気配はない。蓮は隣に腰掛けもう1度声をかけた。

「最上さん?」

やはり起きそうにない。しかも段々と蓮の方へ寄りかかってきた。

(この子は…寝ている時まで俺を煽るのか……)

無防備に身体を預けるキョーコに複雑な視線を落とし、キョーコの髪から漂う甘い香りに蓮は自然にその髪を撫でていた。

「そんなに無防備でいられるとキスしたくなるだろう?」

寝ているであろうキョーコには聞こえないが、小さな声で囁く。そしてキョーコの唇をそっと撫でてそのすぐ横に軽く自身の唇を寄せた。

「今はここで我慢するよ?」

クスッと小さく笑いキョーコを抱き上げる。
キョーコの顔は蓮の胸にうずまっていたが、その頬が染まっていることに蓮は気が付かなかった。



終わり
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