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初詣

正月明けた頃にこんな事があったらなーとか考えてみました。一応蓮視点のつもりで…
1月8日、社さんの計らいでやっと最上さんに会う事ができた。年末年始はずっと仕事が入っていて、時々事務所に寄っても彼女の方は正月休みで会う事はなかった。自分はそれを許される立場ではないのに、会いたい、顔が見たい、声が聞きたい、触れたい、思いばかりが募っていく。社さんにはそういう事がダダ漏れなのか、

「お前がキョーコちゃん欠乏症なのは解ってる。これ以上は役者生命に係わるからキョーコちゃん補給して来い」

と、いつもより早く仕事が終わる今夜、最上さんに夕食作りを頼んでくれた。
社さんを家に送り、買い物を済ませた最上さんを拾って自宅へ向かう。

「社さんから聞きましたよ!お正月だから仕事終わった後、付き合いで飲みに行くけどまともに食事摂られてないって!」
「ははっそうだねー」

赤信号で停まったのでちらっと横を見ると、上目づかいで俺を見ながら怒っている…良かった、今運転中で、その顔で怒るのは反則だろう?緩む口元を手で覆い運転に集中する。

「ははっじゃありません!!身体が資本の職業なんですから、不摂生はだめですよ!なので今夜は胃に優しい消化の良いメニューでいきたいと思います」






「ご馳走様、今日はありがとう、送ってくよ」
「は、はい、いえ、いつも送っていただいてすみません」

少しはにかみながら言う君。美味しい食事と心が満たされる幸せなほんの数時間。ただの先輩後輩でなければ帰しはしないのに。そんな事を考えているなんて君は思いもよらないだろう?
車の中でも弾む会話。もうすぐ降りる所に着こうかという時

「―やっぱり敦賀さんは初詣に行かれてないんですね…あの、もし良かったら、これから一緒に行きませんか?すぐ近所に小さな神社があるんです」
「ありがとう、一緒に行けるなんて嬉しいけど、あまり時間が遅いと…」
「大丈夫です、逆にこのくらいの時間の方が人目を気にせずにゆっくりお参り出来ますし、あ、次の角を曲がって少しの所です」

言われたとおりに進むと確かに地元の人しか知らないような小さな神社に着いた。

「寒くない?」
「平気です!ほら、マフラーに手袋してますから…ってやっぱり人いないですね。ライト点いてるので明るいですが、元日にだるまやのご夫婦と来た時にはもう少し賑わっていたんですよ」
「そうなんだ、何か付き合わせたようで悪いね」
「いいえ~私、この静寂な雰囲気とか好きなんです、気持が引き締まる気がして、あ、こちらです、行きましょう」

白い息を吐きながらにこにこ無邪気な様子にクラリとしながら外れそうな箍をはめ直す。
とりあえずは邪心は捨ててお参りだ。日本に来てから何度か行った事があるし、テレビでもその様子を観た事があるので、自然に参る事が出来た、と思う。ふと、隣を見ると眉間に皺を寄せ難しい顔をして拝んでいる彼女がいる。何をそんなに拝んでいるのだろう。もしかして…あいつの事?
一瞬よぎった考えがどんどん膨らんで負のオーラが出てくると、俺の感情に敏感なこの子にすぐ気付かれてしまう。

「つつつ敦賀さん?何かありましたか?」怖々と聞かれて
「最上さん、一生懸命拝んでいたから、何をお願いしたのかなと思って…」
「そ、それは…」言い淀む最上さんに
「ん?」と笑顔で聞き直した。駄目だ、ビビらせるつもりはないのに…
最上さんは観念したように

「あ、あの敦賀さんの事です!」
「俺の?」
「敦賀さんの空腹中枢麻痺を何とかして下さいって!だって、例えば復讐とか役者として成長したいっていうのは
自分の実力、頑張り次第だから、自分の力及ばぬ事をお願いしようと思いまして」

慌てて早口に捲し立てる様に言ってしゅんとしている。
あんなに念入りに他の誰でもない俺の事をお願いしてくれたんだ、内容はともかくとして。さっきまでの負のオーラは吹き飛び思わず顔が緩んでしまう。

「俺の事でそんなにお願いしててくれたんだ、ありがとう」

にっこりとお礼を言ったのになぜか最上さんは固まってしまった。

「イエ、ドウイタシマシテ…」
「あれ?でも願い事って人に話すと叶わなくなるんだっけ?」
「あ!そういえば聞いたことが!!」

最上さんは涙目で怒って

「ひどい!敦賀さんの事いっぱいお願いしたのに~!」

…その顔も反則だよ?最上さん。

「そしたらその願い事も君の実力で何とかするってことでどう?」
「ほぇ!?」
「最上さんの作る料理はいつも美味しいから、いつも食べさせてもらえたら治るかもしれないし」
「…!!敦賀さんも少しは努力して下さい!!っていうか敦賀さんの願い事は何だったんですか!?」
「内緒」
「ずるい!!私にだけ言わせといて~!」
「うん、でも絶対かなえたい事なんだ…」

こんなに近くにいるのに届かない気持ち。切ない思い。最上さんはそれ以上聞いては来なかったけれど。

―来年も再来年もその先も君の隣にいることが許される自分になりたい―



終り

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