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朱色が語る

半年近くも更新が滞っておりました。
訪問下さる方がいらっしゃるか分かりませんが、ありがとうございます。

仕事の都合で落ち着いてパソコンに向かえる時間が取れず、素敵二次サイト様宅へお邪魔する事も出来ずで、脳内妄想な日々でした。
現在も忙しさは変わらずなので、たま~にしか更新できないと思いますが、ポツリポツリと続けていきたいと思っています。

今回は少しACT.200の続き妄想を匂わしたような話になっています。ネタバレNGな方はお気をつけ下さい。ついでに終わり方が中途半端です(汗)


…ああ、やだな…

もう何度目になるか分からない。心の中でため息をつき、表情は変えることなく奥歯を噛み締めぐっと堪える。
まるで相手にされていないというのに、愛華さんがカインヒールに近づくだけで心がざわめく。

アイツの時は綺麗に感情を隠す事が出来たのに…
嫉妬や羨望独占欲、それらをセツの役に乗せて吐き出してしまえばいいのにセツになりきれない。

でも敦賀さんにはまだばれていないはずだ。あの日社長さんには顔を見られてしまったけど、撮影期間中はきっと何も言ってこないだろうからその間に対策を練ればいい。

この気持ちだって…ヒール兄弟が終われば敦賀さんとの接点も無くなって想いを封じ込める事が出来るかもしれない。

だから大丈夫、きっと大丈…

“…ツ、セツ”

思考の小部屋に入り込んでいたからすぐに気が付かなかった。目の前を黒い影に覆われ、特殊メイクをしていてもなお整った顔立ちが心配そうに覗き込む。

“あ、兄さん終わったの?”
“ああ、どうした?ぼんやりしてたが体調でも悪いのか?”
“ううん、…明日の朝食のメニューどうしようかなって”
“…夕食もまだなのにもう明日の朝食か?”
“兄さんは食事に無関心だから分からないかもしれないけど、食生活で朝食って重要なのよ?”

少しおどけて言ってみせたら

“そうだな”

セツにだけ向ける柔らかい表情で微笑した。
そんな微笑一つに掛けなおそうとする鍵がふきとばされる。

“行くぞ”

当たり前のように腰を抱かれ

“うん”

セツの表情を貼り付け応える。


大丈夫、大丈夫、絶対にこの撮影期間乗り切ってみせる。
まるで呪文を唱えるように自分に言い聞かせながらBJのクランクアップまで耐えていた。




「カインヒールさんクランクアップです!」
「ヒールさん、お疲れ様でした!!」

スタッフや共演者から上がる声と拍手を無表情で応えながら、カインと共にスタジオを後にする。
いつものようにタクシーで滞在先のホテルへと戻るが明日の朝チェックアウトの予定だ。先が見えた安堵感で
セツが抜け周りが見えていなかった。
部屋に入るなり身体が反転してカインの腕の中、きつく抱きしめられていた。

え!?何で?今抱擁なの?
とにかくセッちゃんを呼び戻さなきゃっ!!

“な、何?兄さ…”
「終わりだよ」
「なっ…」
「ヒール兄弟はもう終わりだ…最上さん?」

耳元で囁くように言われ最後唇が触れていった。

「!!!」

顔が熱い、今こんな崩れた顔をこの人に見られる訳にはいかない。そもそも終わりを宣言した上でなぜ抱きしめられるのか、言葉を紡ごうにも声が喉に張り付くようで上手く出てこない。
せめて顔は見られないようにとしていたのに…

「クス…最上さん耳赤いよ?」
「!!…や!」

何とか身体を捩って離れようとするけどそれも敵わず…

「…そうやってうろたえるってことは、少しは俺の事を意識してると思っていいのかな…」

いきなり核心を付かれ強張る身体。

「…正直だね…最初の頃はどんなにべったりくっついていてもセツとして受け入れていたのに少し前からだよね?ヒール兄弟で触れ合うと身体を固くするようになったのは…」

腕の拘束が緩むことなく言葉が続く。

「もしかして嫌がられているのかと思っていたけど、気が付いたんだ、そんな時君の顔は見えないけど耳は真っ赤だった」

あんなに平静を装ってセツを貼り付けてたって言うのにこの人に見抜かれていたの!?
どうしよう……どうしたら…この場を凌げる?

「だから…俺はその可能性に掛けてみることにした、最上さん」

ああ、もう失望されて後輩としても傍にいられなくなってしまう…

「好きだよ…」

……え…?

「一生お前の俺で生きてやる、あの時の台詞はセツの中の君に伝えたかった言葉、カインでもなく俳優敦賀蓮でもないただの俺が君に誓う」

…幻聴?

「君を、君だけを愛してる最上さん」

時間が止まったようだった、力が抜けていく…ありえないことを聞いたからなのか…

「最上さん?」

そんな、そんなわけない…敦賀さんが私をなんて、でも…期待感も止められず敦賀さんの言葉が胸の中に染みこんでいく。

「最上さん…」

もう一度名を呼ばれ腕の力が緩んだ。

「…そんな顔するのは反則だよ」
「え…?」

思わず顔を上げてしまったら、神々スマイルの敦賀さんの顔がすぐ近くにあった。

「君のその表情が返事だと思っていい?」
「あ…の…」

更に頬に集まる熱に敦賀さんの唇が触れた。

「!!!」
「愛してるよ」

言葉が出ない。頭の中は真っ白で何も考えられない。

でも次に降りてきた口付けは自分のそれで受け止めた。

何度も落とされる口付けと愛の言葉、優しく労わるように触れる手に、開いてしまった箱の存在が溶けていくのを感じていた。




終わり














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