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杏子(アンズ)

主婦歴は長いのに料理レベルは上がらない自分ですが、先日杏子を頂いて初めてジャムを作りました。出来栄えは・・普通に出来た・・と思います(^_^;)そんなところから妄想してみました。

LME事務所のラブミー部では現在、キョーコが尊敬崇拝する先輩のトップ俳優を交えての試食会が行われていた。

「へえー・・アンズのジャム?俺初めてだよ」

社は珍しそうに眺めてから橙色のジャムをのせた試食用にと小さくカットされているパンを手に取った。

「ジャムなんて俺、イチゴかマーマレード位しか知らなくて」

などと言いながら口に入れる。

「アプリコットと言った方がピンとくるかもしれませんが、ジャムは色々な果実から作れますよ、このアンズはだるまやのおかみさんが毎年この時期になるとお友達に沢山頂くそうで・・」

杏の実は夏頃に収穫される。旬の短い新鮮なアンズをだるまやではいつもジャムにしているらしく、今年はおかみさんに勧められて自分が作ったのだとはにかんだ。

「うん・・美味しい・・これさっぱりしていて食べやすいよ・・」

蓮はジャムより甘い微笑みを浮かべ感想を述べる。

「そうだな、酸味と甘みのバランスが絶妙だな、美味しいよ」

社も素直な感想で、実は小腹が空いてたんだと苦笑しながら2つ目に手を伸ばす。

「良かった・・ありがとうございます、まだまだありますからどうぞ?敦賀さんもよろしければ・・」
「ありがとう、いただくよ」

世間一般ではちょうど子供のおやつといわれる時間帯。部室内には紅茶の香りとジャムの甘酸っぱい香りが仄かに漂い、居心地の良い空間になっている。
キョーコは蓮と社に紅茶のおかわりを注いでから遠慮がちに切り出した。

「あの・・それでですね、お口に合いましたら瓶詰めにして持ってきてますのでいかがですか?」
「え、いいの?」
「はい~・・実は沢山作りすぎてしまって、皆さんにお裾分けしてたんです」

キョーコは照れながらそれを取り出し

「はいどうぞ、社さん」
「!?」

コトリとジャムの詰まったビンを社の前のみに置く。
社は部屋の室温が下がったのを感じ心の中で叫ぶ。

(な、何で俺だけー!?いや、今メインでしゃべっていたのは俺かもしれないけど、まず蓮にだろー!!)

蓮は表情を変えることなく紅茶を飲んでいる。

(蓮のヤツ平静を装っているけど絶対怒ってるはずだ!!キョーコちゃん、何で気付かないんだー!)

「社さん、自炊もされますからトーストはもちろんヨーグルトにもいいですよ、後はー・・」

キョーコはニコニコとジャムの話に花を咲かせている。
社はゴクリと唾を飲み込みあえて冗談めかした口調で

「でもほらキョーコちゃん、やっぱり俺が先にもらうわけにはいかないよー」

この世界は縦社会だから、などと付けたしもごもご呟く。
キョーコは社の言葉にキョトリとしたが、ああ!というように

「敦賀さんのはありませんよ?」

殺傷力の高い爆弾を落とした。
これには蓮も動揺を顕にした。

「最上さん・・」
「え?だって敦賀さん、ご自分で朝食なんて絶対に用意されませんよね!?」

絶対と断言され、でも確かにそうだろうと納得する自分もいて二の句が告げずにいる蓮に

「ですから敦賀さんのは私が作るつもりで・・・」

その言葉に即反応したのは社だった。

「え!?キョーコちゃん、蓮の朝食作ってくれるの?」
「へ?朝食ってあの、差し入れをしようかと「嬉しいよ・・最上さん」」

蓮も極上の笑みを浮かべキョーコの言葉にかぶせてくる。

「朝食って言っても最近早朝から仕事が多いからな~・・いっそ前の晩から泊まりで・・」
「え・・あの・・ですね」

いつにしようかと無駄にはしゃぐ社に引いて、段々と苦手は雰囲気を醸し出していく蓮にも戸惑うキョーコだったが、今日は社の携帯電話の振動音と先輩俳優の時間切れがキョーコに味方してくれた。
電話に出るべく慌しく退出した社に続き蓮も席を立つ。

「ご馳走様最上さん」
「いえ、何のお構いもしませんで!」

蓮の微笑にドギマギしてそれを誤魔化す様に主婦のような受け答えをするキョーコだったが・・・ふいにキョーコの顔に影がかかった。ふわりといい香りがしてそれは蓮がとてつもなく近くにいることを意味している。

「ん、やっぱり・・最上さんの髪甘い香りがする」
「!!」

キョーコは耳まで赤くなり硬直しながらも

「そ、それは昨日と今朝もジャム作りしてましたので・・」

何とか平静を保とうと踏ん張り答える。

「クス・・甘くて美味しそう・・・」

蓮の顔がキョーコの髪から降りて耳元で囁く。その時一瞬掠めた。
蓮はそのまま妖しく笑んで部室を出て行った。
キョーコは蓮が掠めた耳元を押さえ立ち尽くす。その顔は更に朱に染まり涙目で・・・。

蓮とキョーコの甘さと酸味でゆっくりコトコト・・・煮詰まるのはもうすぐかもしれない・・。



終わり









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