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フリー作品頂きました!(4)

4話目、ラストです。2人の本音のぶつけ合いがいっそ爽やかすっきりです。その後甘ーい展開を妄想しちゃいます。とっても素敵なラストのお話なんです!そんな素敵なお話満載の常葉様宅へは右側のリンクから行けますのでぜひ堪能してきて下さいませ~\(^o^)/



フィアンセ以上、恋人未満④


 新婚生活の行方(Side:蓮)

 その日は一日中、仕事中であってもずっと焦燥が付きまとっていた。

 今にも彼女が家を出て行ってしまいそうな気がして・・・・。

 社長には口止めしているとはいえ、こと、愛に関してはどんな発想で何をしでかすか予想もつかない。

 だからいつもよりずっと早く仕事を終わらせて、いつもよりずっと早く車を走らせた。

 彼女に早く、一秒でも早く、伝えたい想いを抱えていたから。

 不安だった、でも同時に、無理やり閉じ込めていた想いを伝えられる解放感に喜びがあった。


 
 ―――――玄関先で、土下座の姿勢を維持したまま出迎えた最上さんを見るまでは。




 人の本性、その根本はどんな経験を経てすら変わらないものなのだろう。

 特に、ギリギリまで追い詰められているときには、取り繕うことも、今まで積み上げてきた自戒も、何もかもを壊し、本来の姿が顔を出す。

 俺は彼女に想いを告げるつもりだったんだ。愛を乞うつもりだったんだ。

 けれど、その日の仕事を最高速度で終わらせ帰った家で、彼女から『それ』を切りだされた時、俺は最早『敦賀蓮』ではなかった。

 追い詰められれば破壊へ向かう『久遠ヒズリ』だった。




 玄関先で俺を待っていた彼女は頭を上げると、お話があります。と開口一番に告げた。

 彼女に『おかえりなさい』以外の言葉を言われなかったのは、この時が初めてだった。

 顔を、体を、強張らせた俺の姿など見えていないように、彼女はここでは何ですから、と言ってリビングに向かった。

 テーブルの上には珍しくアルコールの類が置かれ、何か祝い事でもするような豪華な料理が並んでいて、俺のこの焦りは取り越し苦労だったのではないかと思う。
 
 お食事しながらにしましょうか、そう言って彼女はラグに座る。俺もそれに倣った。

 杞憂だ、そうに違いない。そう思うのに、俺の喉はひりついてあんなにも伝えたかった言葉が出てこない。

 彼女が酒をほんの一口、舐めるように飲み、話し出した。


「私、最上の家と話し合ってみようと思うんです。敦賀さんには申し訳ないと思っています。わざわざ結婚までして頂いたのに、でも・・・・これ以上耐えられないんです。敦賀さんと、法律上だけとはいえ結婚している事が・・・・嫌なんですっ、だから、敦賀さんにご迷惑をおかけしない形を考えてみますから―――――」

 別れて下さい

 その言葉を、音になどさせるものかと思った。

 瞬間、自分で驚くほどの速度で体が動く。

 一方で、壊れ物を扱うような力加減だった。いっそ滑稽なほどに。

 とん、と軽くその肩を押せば、呆気なくラグの上に転がる彼女。

 こんな間近で別れ話をなどする方が悪い。


 状況についてこれないのか、彼女はぽかんと俺を見上げている。

 危機感の欠片もない無防備さにイライラするのを隠さないまま、彼女の上に覆いかぶさった。

「ねぇ、最上さん?最上さんは俺と別れたいんだ?酷い話だね。結婚してまだひと月もたっていないのに。離婚するにしても、そんなすぐに別れられる訳ないだろう?その間俺はどうやって欲望を処理すればいいのかな?」

 俺は笑顔を向けているのに、彼女は笑い返してさえくれない。

 それに、彼女は何と言った?耐えられないと、そう言ったのか?書類上の夫婦すら嫌だと?

「よ、欲望?」

 さすがに怯えを見せ俺を押しのけようとする彼女に、何故こんなにも興奮するのだろう。

 もっともっと傷つけたい。なのに、これ以上怯えられたくない。大切に大切に慈しみたい。 

 彼女が逃げていかないように、彼女を傷つけずに済むように、その全てを支配してしまいたかった。

「嫌だなんて言わないだろう?言えるはずがない。俺たちは夫婦なんだから」

 ―――――君の中で、処理させて。

 彼女の耳元でささやく。

 彼女がびくっと震え、悲しげに瞳を揺らし、こくり、静かにうなずいた。

 ほらね、彼女はこう言えば逆らえない。だからずっと、耐えていたのに。

 壊したのは君の方だ。でも、きっと、優しくするから。君の分まで俺が愛するから・・・。



「子作りしよう?」



 そう言って身を投げ出す彼女の服に手をかけた、俺の手は

 バシッ

 驚愕に瞳の色を染めた彼女に払われた。

「なに、するのかな?」

 目を細め、睨め付ける。

「こ、こっちのセリフです!!こ、こ、子作りって、だって、欲望の処理だって・・・!!」

「そうだよ。欲望の処理、手伝ってくれるんだろう?俺はね、君を抱きたい。君の中に子種を残して俺の子供をはらませたい。君と俺の子を育んでいきたい。君はうなずいたんだから、ちゃんと俺の欲望を叶える手伝いをして貰わないと」

「な、んで、そんな」

 彼女が憤りに頬を染め、悲しみに顔を歪めた。

「なんで、そんな残酷な事が言えるんですかっ!!好きでもない相手に、いつか別れる相手に子供を産ませて、敦賀さんが、そんなひどい人だなんて思いませんでしたっ!!!」

 彼女の叫びに、俺の顔も歪む。

「残酷なのも酷いのも君だろう!!!?そうやって・・・・・そうやって子供をもうけてすら俺と別れる気でいる!!!俺の何が気に入らない!?俺は、君が望むなら何だってするのにっ・・・・芸能界にい続けるために利用したって気にしているのか?俺は君にならいくら利用されたってかまわないのに!!君が頼ってくれたのが、選んでくれたのが俺で、本当に嬉しかったのにっ・・・・!!」

「そんな、だって、何で?何でそんな事言うんですか!?・・・・好きな人、いる癖に・・・!!」

「君以外に想う相手なんている訳ないだろう!!」

「うそ!だって、敦賀さ、・・・言った!好きな人いるって、言ったもん!!・・・だから、私、もうやだって、耐えられないって、別れなきゃって、悲しくて、結婚してるのにって、・・・・神様になんて、誓えないって・・・・!!・・・・ふぇ・・・敦賀さんの嘘つき~~、遊び人~~~!!」

 そう言って彼女が俺の胸をべちべちと叩く。

「嘘じゃない!!本当に、好きなんだ!!そうじゃなきゃただの『契約』でも結婚したりしない!!君をだれにも渡したくなかったから、だから結婚したんだ!最上さん、最上さんは違うの!?さっきの君の言葉を聞くと、まるで俺の事が好き見たいに聞こえたよ!?」

「好きですよ!!悪いですか!!いくら芸能界にいたいからって好きでもない人と結婚できるような感性は持ち合わせていません!!」

「本当に!?」

「本当です!」

 ラグの上で覆いかぶさり、覆いかぶさられたまま、互いににらみ合う。

 叫びあって、混乱して、訳も分からないような状態。

 さすがに息切れして怒鳴りあいが止まった時、漸く現状に認識が追いついた。

 え、何だ?これ?

 俺は都合のよい妄想にでも囚われているのか?

 そう考えずにはいられない。


 だから、恐る恐る尋ねる。

「・・・・じゃあ、式で、神様に本当に誓っていいの?」

「心から、誓ってくれるんですか・・・?」

 俺と同じように、怖々した彼女の問い。

「ちかう、誓うよ!!・・・心の底から、永遠の愛を誓う・・・っ!」

 だから、だからどうか、頼む・・・。俺と、

 ―――――――――本当の夫婦になって・・・・。




 その日、蓮とキョーコはとても久しぶりに本当の笑顔を見せあった。






(了)





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