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魔法をかけて

ヒール兄弟の時の蓮を心配したキョーコが元気付けようと・・な話ですが、蓮視点で書いたらキョーコちゃんの心情がまるで入ってない状態に・・・。



PM8:00 カインヒールとして滞在しているホテルに帰宅する。
「敦賀蓮」だったらこんなに早い時間に帰る事はあまりない。それに帰ると言っても寝るだけだ。だから今日のように先に帰って待っていてくれる人がいると思うと幸福感で満たされる。
ただ、待っているといっても彼女は妹役として兄を演じる自分の帰りを待っているだけなのだが・・

今日は彼女の仕事の都合で別行動だった。
早く逢いたい・・・たった一日離れていただけなのに・・
B・Jを演じるようになってから闇に捕らわれ飲み込まれてしまうような感覚になって、それから逃れたいと彼女を求めてしまう・・・
逸る気持ちを抑えゆっくりとした足取りでエレベーターへと乗り込み目的の階のボタンを押す。
途中の階でとめられることなく一気にそこまでたどり着いた。
チャイムを鳴らさず自分で鍵を開け、開いたドアの先には・・・

そこにいるはずの妹セツの姿はなく、目の前には変装を解いた素の状態の最上さんがいた・・・

「お帰りなさいませ!そしてこの部屋で素でいる事、お許しくださいっっ!!」

慌てて土下座体勢に入ろうとした彼女の肩を両手で押さえて

「・・いや、最上さん・・そんなこと気にしなくていいから、とりあえず座ろう?」

この部屋ではほとんどヒール兄弟として接していた。だから暗黙のルールを破る事になったのを気に病んでの行為なんだろう・・・俺としては2人きりのこの部屋で素のこの子と向き合うのは嬉しいけれど、色々と危険な気がする・・・いや、俺がしっかりしていればいいだけの話なんだが・・
肩を抱くようにして彼女を促しすぐ横のベッドに座らせ、俺は向かい合わせに床に膝をついて座った。

「そんなに謝る事じゃないよ、何かあった?」
「いええ・・あの、つ・・るがさんにお願いが・・・」
「クス・・何?」

涙目で頬を赤らめながらそんな事言われると総動員して集めた理性がまた吹き飛びそうになる。

「い・・一緒に・・」
「・・一緒に?」
「あ・・の、一緒に・・・・・ご飯を作って欲しいんです!!」

・・・うん、そうだよな・・この子相手にそういう期待を持ってはいけないって分かってるんだけど・・・

「・・敦賀さん?」
「あ、ああごめん、俺でよければ喜んで・・でも珍しいね」
「はい、どうしても敦賀さんと一緒に作りたいんです!」
「じゃ、早速作り始めよう、最上さんもお腹すいただろう?」
「はい!始めましょう!」

握りこぶしで強い瞳を宿す彼女の頭をポンポンと叩いてキッチンへと促した。





「さて、と・・」

彼女は出来上がった料理を満足そうに見やると「仕上げは私が・・」と冷蔵庫からそれを取り出した。
そもそも一緒に料理を、と言った時点で何かあるとは思った。そしてキッチンに並んでいるのは以前自分が料理したときと同じ材料。それを見て彼女に問おうとしたけどそんな間も無く「指導」が始まった。それこそ卵の割り方から丁寧に、時に厳しく。
調理法を教わりながら2人で分担して作り出来上がったオムライス。前回よりは大分進化している。大きさは通常よりもかなり大きいけれど・・・
彼女はケチャップの蓋を開けて俺を見上げると

「・・・前に敦賀さんにオムライスをご馳走になったとき敦賀さん、何かと闘っているような気がしたんです・・験を担ぐというか・・なので今回は2人で作ってより強力な魔法をかけたいな・・・なんて生意気ですね・・」

言いながら段々と俯いてしゅんとしてしまった・・・マズイ・・可愛すぎて思わず抱きしめたい衝動に駆られてしまう。ダメだと思いながらもそんな歯止めする気持ちは横へやり、手は身体は勝手に動いていた。
ふわりと自身の腕の中に収めると俯いたままのこの子は耳まで真っ赤になる。

「・・生意気なんて事ないよ、君に心配かけていること分かっているのに何も言わずごめん・・・」
「!?謝らないで下さい、私が勝手に・・」
「いいんだ、オムライスの事は君の言うとおりだから・・・だからまた君が魔法をかけて?」
「えっと、は・・い・・で、では」

頬を染めたまま俺の腕をするりと抜けて、深呼吸してからケチャップをかけはじめた。

「・・敦賀さんは必ずB・J役をやり通して映画を成功に導きます、敦賀さんは絶対勝てます・・コーンも応援しています」
「コーンが?」
「はい!大人になったコーンがきっと見守ってくれているはずです」

うーん・・・それって自分で自分を応援するってことだよな・・・そもそもクオンの闇に打ち勝とうとしてたわけだし・・・・
・・・勝つ必要はないのだろうか・・人は誰でも闇の部分を持っているが俺の本質はそれじゃない・・演技にそれを利用しているだけだ・・・俺の本質はあの夏の数日間、この子と過ごした時の俺だと信じたい。

「あ、あのー・・敦賀さん?」
「あ、ああごめん、ぼんやりして・・2人で作って君の魔法がかかってるならきっと強力だろうって思ってね」
「ダメですよ、この魔法はこの巨大オムライスを完食しないと効力ないんですから、協力してやっつけましょう!」
「そうだね・・」

2人で作ったオムライスは前回ほど「マウイオムライス」ではなかったけれど、卵の殻が混ざってたりした。君は

「カルシウムも一緒に摂れて一石二鳥です!」

嬉しそうに笑ってる。そんな笑顔に癒されるんだ。そしてそれを自分だけに向けて欲しいと仄暗い気持ちも湧いてくる。
「この撮影が終わるまでは」きっとこれが最後のロック。

「・・敦賀さん!手が止まってますよ!どんどん召し上がって下さいね」
「はいはい、ちゃんと食べるよ、君の強力な魔法がかかってるからね・・・ありがとう・・」
「!!!!!」

カインの癖ですいっと最上さんの頬に触れたら凄い速さで飛びのいてしまった・・・

「お、お礼なら言葉だけで結構ですからー!!」

真っ赤になって口をパクパクさせている。

「がんばるよ・・」

自分の闇にのまれずにやり遂げて、君のことも逃がさないから・・・




終わり






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