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その表情は・・(後編)

後編が暗くなってしまいあちこち直してたのですが、段々迷走してきて訳分からなくなってきたのでこれでUPしちゃいます。



「・・ご馳走様でした、量もちょうど良くて美味しかったよ・・・」
「いえいえ、そんな・・有難うございます」

数時間前の約束通り蓮のマンションで一緒に夕食を摂った2人。
蓮も現金なものでキョーコとの約束を取り付けた後は上機嫌で仕事に取り組み社に呆れられていた。
今、この瞬間までは・・・
一緒に片づけをするべく食器を重ね合わせたとき、目の前の大画面のテレビで例のCMが流れ始め手が止まる。
一瞬の緊迫した空気を感じてキョーコが恐る恐る声をかけた。

「あ・・あのー敦賀さん、どうかしましたか?」
「いや・・このCMよく出来てるね・・・」

蓮が似非紳士笑いで答えたためキョーコの心も穏やかではない。

(なっ、何かこのCM気に触ったのかしら、それとも別の事!?どこかでイラツボ押しちゃったの!?私っ)

「このCMは監督がドラマのナツを観て起用して下さって、ナツっぽくと言われまして・・・」
「そう・・」
「でもナツってドラマで恋愛はしていないのでその辺の表現で悩んでしまって、でも以前先生に言われたんです、その時はナツの役作りで悩んでいたのですが、未緒っぽくと言われたからと言ってそれに縛られた演技することはないって」
「そうだね、見た人間を納得させられれば・・・でも正直驚いた、台詞がない分仕草や表情で恋人同士の雰囲気を出さないといけないだろう?上手に表現出来てるよ・・」

蓮は画面からキョーコへと視線を移し

「すごく「そうなんです!敦賀さん!!」」

キョーコは蓮の言葉を遮るように声を発した。

「先生も同じことを言ってました!インパクトさえあれば見た人は必ず納得するって!流石凄いです敦賀さん!」

(確か前にもこんな事なかったか・・・)

蓮は口元に手をやりすうっと目を細めキョーコを見据えた。
そんな視線を受けてキョーコはヒュッと息を呑む。

(どどどうしよう~あからさまだったよね、今の・・でもこれ以上聞いたらきっとまた・・・)

蓮の艶めいた視線に耐えられず目を逸らすキョーコの表情は・・

「・・何故目を逸らす?」
「え、や、あの意図的に逸らしたわけでは・・・」

オーバーに両手を振って一瞬蓮に顔を向け瞳がかち合った。

「つ・・がさん・・・ど、して」

そんなに切なげな瞳で見るのですかとは言えない。その表情一つでキョーコの中で厳重にかけてある鍵が吹き飛ぶ音がする。だがそんな時キョーコこそ蓮を煽る表情をするのだ。

「・・・最上さんは、いつのまにそんな表情をするようになったの?」

顔を歪ませた蓮が問う。キョーコが時折見せる表情に勘違いしてそれにつけ込みたくなってしまう。

「え?」

身に覚えのないことを問われキョトリとするキョーコに連はため息混じりに

「無意識・・か、俺は君のそんな顔も全部俺だけに向けて欲しいと思ってる・・」
「え・・と何を・・」

蓮が言おうとしていることがまるで分からないわけではない。でもキョーコはそれに触れたくなかった。ずっと認めず目を背けていても、ほんの一瞬で鍵を吹き飛ばすのは蓮しかいない。他の人間が同じ仕草で同じ言葉を使っても心に響く事はないのだ。
蓮はキョーコの頬へとすうっと片手を伸ばした。
瞬間キョーコはびくりと身体を震わせたが伸びてきた手はそれに躊躇せず頬へ触れ、そのまま後頭部を撫でるように通り逆側の肩に手をかけ蓮の胸へと引き寄せられた。

「・・・怖い?・・」

低くて小さくかすれた声でつぶやくように言葉を発した蓮。

(怖い?・・それは敦賀さんが?この状況が?それとも封印したはずのものが蘇りそうだから?)

キョーコは蓮の腕の中で小さくかぶりを振った。質問の返答というわけではない。自分自身よく分からないのだ。
蓮はキョーコの頭を優しく撫でて

「・・最上さんが否定しているものが君の中では育ってる、それは演技にも反映されてる、だから」
「ダメです・・そんなの、私はもう二度と・・」
「恋はしない?」

キョーコの肩がその言葉に反応する。

「慌てないでいいから、ゆっくり考えてみて?最上さんのこと・・俺の事も」
「え?」
「もう半分は気が付いてる、というか分かってるだろう?俺が最上さんを大切に想ってる事」
「う・・」

キョーコには身に覚えがある。今まで何度となく蓮にそれらしいことを言われる度に自己防衛してきたのだ。
ある時は曲解して捉え、ある時は冗談で流し・・・
でも今この温かい腕に囲われている状態を嫌悪していない自分がいる。むしろもっとずっと、と望んでいることがいくら目を背けようとしても、全てを物語ってしまっている。

「ん?」

返事を促す蓮にキョーコは小さく頷いて「・・はい」と答えた。
蓮は微笑を浮かべてキョーコの背中にまわしていた手をその両肩に乗せて耳元に顔を寄せた。

「・・好きだよ・・・」
「!!!!!」

キョーコは耳まで真っ赤になり蓮の胸を押し距離を取ろうとするがそれが敵うわけもなく。

「いきなりそういう爆弾落とすの止めて下さい!」
「爆弾って・・・いや、ちゃんと伝えてなかったと思って」
「ゆ、ゆっくり考えていいって言ったじゃないですか!」
「うん、いいよ?ゆっくりで・・その間に最上さんの中を俺でいっぱいにしようと思ってね・・」
「すでにいっぱいいっぱいです!!」


キョーコが封印していた箱が開かれた今、蓮の手に落ちるのはすぐそこなのかもしれない。





終わり








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