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箍が外れるとき(前編)

長さが中途半端なので分けました。こちらは尚が出てきます。OKな方だけどうぞ。


尚にとっては予想外だった。
あのバレンタイン以降、久しぶりに出会ったキョーコが冷静だった事に。
もっと憎悪をむき出しに突っ掛かってくると思っていたのだ。それが声をかけても

「・・ああ、あんたなの、久しぶり。これから収録?」

さすがにニコニコ話はしないが以前のような憎しみに満ちた雰囲気はなく、冷めた目で尚を見る。

(何だよこいつは・・あのときのことでもっと憎しみをぶつけてくるはずじゃねーのかよ・・・)

「・・お前、何かどこか変じゃねえか?」
「はぁ?何言ってんのあんた、開口一番に出てくる台詞がソレなわけ?」

キョーコは今朝までヒール兄弟を演じていた。今日は夜までカインは敦賀蓮としての仕事があり、キョーコも番組収録で夕方まで仕事の予定だ。
尚がキョーコに対して違和感を感じたのは、キョーコがまだセツから抜けきれていなかったからというのも原因の一つなのかもしれない。
キョーコは気だるそうな雰囲気で髪をかきあげ

「ま、用がないなら私もう行くから、じゃあね」
「ちょっ、待てよキョーコ!」

踵をかえそうとしたキョーコの肩をグッと掴み自分の方へと向かせる。
キョーコはうんざりしたように

「何よ、何か用なの!?」
「・・・お前、あのときのこと・・」
「は?あのときってどのときよ?」

ローテンションでどこか冷めたようなキョーコの雰囲気に尚はイラついた。愛情にしろ憎しみにしろ自分が一番キョーコの中を占めていると思っていたのに今のキョーコからは感じ取れない。ならば、と尚が次にとった行動は・・・

尚の手がキョーコの顎を捕らえるよりキョーコが手に持っていた台本を2人の近づいた顔の間に入り込ませるほうが早かった。キョーコは口元を台本で隠し刺すような目つきで睨みつける。

『触るな』

強い意志を持った瞳が語っている。
2人の間にあるのはただの薄い紙の台本。そんな頼りないものが絶対越えられない壁のようで、まるで時が止まったように尚は身動き出来なかった。時間にすると1秒なのか10秒だったのか解らない。
それを破ったのは、思いも寄らぬ所から発せられた声。そしてその声からは普段紡がれることがない言葉。

「キョーコ!」

キョーコと尚は弾かれたように声がしたほうへ振り向く。
そこには笑顔全開の蓮とびっくり顔の社の姿があった。

蓮は笑顔のまま優雅な歩行でキョーコ達の傍まで来ると

「キョーコ・・今朝忘れていっただろう・・・」
「へ?え!?な、にを・・」

(つつつ、敦賀さんどうしちゃったの!!!???そ、それに今の見られてた!?こんなの・・一番見られたくない人に!!)

キョーコは混乱していた。急に名前で呼ばれ、その上忘れていったと言うが何のことか分からない。
答えを求めるように顔を上げると、すぐそこに端正な顔が迫っていた。




続く

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