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心のままに(後編)

後編です。もうちょいキョーコちゃんを大爆発?させたかったのですが上手く表現できなかったです。



嵐のように去って行った社と奏江の後にしばし沈黙が流れた。そして去り際に奏江が送った視線の意味をキョーコは理解していた。改まって話したことはなかったし、さっきも蓮と社が来た事によって中断されたが、キョーコの心に誰がいるのか奏江は気づいている。

(自分の気持ちを認めて、伝えるべき事はちゃんと言いなさいって事なんだろうけど・・でもこのドラマを観た後で敦賀さんと過ごすのは・・・)

もんもんとするキョーコの傍で蓮もまた複雑な心境でいた。

(社さんの心遣いは嬉しいけど・・・)

蓮はキョーコが観ていたドラマの事がが引っかかっていた。今まで蓮が出演したドラマで一番恋愛色が濃くて男女の絡みのシーンも多い。たとえ演技とはいえ濃厚なラブシーンなどキョーコに見てほしくない気持ちがあるし、そしてそんなシーンの時、蓮は相手役をキョーコに置き換えて演じていたので後ろめたい気持ちもあった。
何とも言えない空気を払拭するように蓮は

「最上さん今日は外食しよう、その後うちにもそのDVDあるから課題をやるといいよ」
「あ・・はい」

蓮宅でこのドラマを観ることに抵抗はあったが、外食でも蓮が進んで食べようとという気持ちを損ねてはならないと蓮に食事を摂らせる事に闘志を燃やすキョーコだった。




「はい、何かストーリーで分かりづらいところがあったら聞いて?」
「・・はい、ありがとうございます」

DVDをセットし再生ボタンを押すとそのままリモコンをキョーコに手渡した。
先程食事をしていた時は2人の間のぎこちなさも消えいつものように会話を楽しんでいたのだが、蓮のマンションへ来てからはまた微妙な空気が流れていた。

(こんな大画面でこれを観なきゃならないなんて・・・)

キョーコは蓮がコーヒーを淹れる為にキッチンへ向かったのを横目で見てから小さなため息をついた。





ドラマの中では物語が進むにつれ主人公の蓮が相手の女優と段々と深い仲になっていく。それと共にキョーコの表情も険しくなっていった。
これは演技なのだと何度言い聞かせてもキョーコの中で黒い感情が渦巻く。
髪型を少し変え、違う名前で呼ばれていてもキョーコには蓮としか思えない。

(嫌だ・・こんなの)

それは紛れもない嫉妬。キョーコが蓮に対して恋心を抱いているからこそ湧き出る感情。
このドラマを観てからキョーコははっきりと認めざるを得なくなってしまった。

(敦賀さんはこんな風に愛を囁くの?優しく肩を抱いてキスして・・蕩けそうな表情でその人を・・!!)

蓮がキョーコの異変に気が付いたのはドラマで濃厚なシーンに差し掛かる頃。なんとなくばつが悪く画面から目を逸らしキョーコのほうを見やると、肩を震わせ手は爪が食い込みそうなほど握り締めている。

「!?最上さん!どうした?」
「!!・・・何でもないです」

びくりと身体を震わせたが、声は平静を装ったように答えた。

「何でもないってことはないだろう?どこか具合でも・・・」

キョーコの顔を覗き込むように見ると、瞳いっぱいに涙を湛えた少女の顔。
予想しなかった状態に蓮が一瞬固まると、その隙にキョーコは顔を背けた。

「・・・すみません、今日はもう帰りますね」

すっと立ち上がりかけたキョーコを蓮の腕がそれを阻む。

「君をそんな状態で帰すわけにいかないよ」

蓮はなぜキョーコがこんな状態になったのか見当がつかなかった。

(このドラマの課題が進んでいないようだったけど・・)

ラブミー部に所属しているこの子にはこんな恋愛重視な話は苦痛なのかもしれないなどと考えていると

「もう、止めて下さい!!」

突然火がついたように大声を上げるキョーコに蓮は目を丸くした。

「敦賀さんはっ誰彼構わず優しすぎです!そんなだからもしかして、とか変な期待しちゃったりするんです!!」

(この子は・・何を言ってるんだ?)

「もう嫌なんです!こんな・・他の女の人と!!!」

(もしかして、この子は・・)

蓮は驚きと戸惑いと嬉しさがごちゃ混ぜになり、でも逃がさないと両手を薄い肩に乗せる。

「!?はっ離して下さい!」
「離さない・・」

蓮は短く言うとキョーコの唇を自身のそれでもって塞いだ。少し乱暴に。そしてそのまま倒れこんだ事により隙間が出来た。

「だっだからどうしてそうなんです!?だいたい私には何もしないって言ったじゃないですかっ!同情ですか!?ただの後輩がこんな気持ちをもってこんな癇癪おこしてっっ私が勝手に好きになっちゃっただけなんです!!!」

冷静さを失い泣きじゃくり蓮を攻め立てる。普段のキョーコならありえない事だ。キョーコが自分と同じ気持ちを持っていた嬉しさから蓮は蕩けるような笑顔になり何度もキョーコの言葉を塞ぐ。
どれ程の間そうしていたのか、キョーコの力が抜けてきたとき

「・・あのドラマは、相手役の女優さんを君に置き換えて演技してたんだ」
「!?」
「何もしないって言ったのは君の気持ちを無視してどうこうするわけにいかないだろう?でも俺は演技のときも夢の中でも君を穢してる・・君が欲しくて堪らない」
「つつつ・・敦賀さん?」

徐々に平静さを取り戻しつつあったキョーコだったが、今度は別の意味で慌てだす。

「愛してるよ」

蓮はドラマより更に艶めいた表情でキョーコにのしかかっていった。



終わり



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