スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

呪縛を解くのは・・・(18)

この回でで一応二人纏まります。やっぱり甘くないですが・・・。



「最上さん!?」

急に泣き出したキョーコに驚いてかがんで顔を覗き込んだ。

「や、あ・・の、ひっ・・久しぶりに敦賀さんに・・逢えた・・・気がして・・」

泣いていて上手く言葉を伝えられないキョーコだったが、蓮は破顔してふわりと優しく細身の身体を抱きこんだ。
どのくらいそうしていたのか、キョーコが落ち着いてくるとリビングのソファーに座らせコーヒーを淹れてキョーコの前に置く。

「・・有難うございます。急にすみません」
「いや?俺は嬉しいよ・・逢いたかったなんて言ってもらえて・・」
「いえ!あの・・それは・・ですね」
「ん?」

しどろもどろと視線を彷徨わせるキョーコにまた眩しい笑みを向け

「クス・・ごめん、俺が強引に連れてきたからね・・まず俺の話聞いて貰えるかな?あまり楽しい話ではないかもしれないけれど・・」

蓮の瞳に影がかかったような気がしてそれがカインのような敦賀さんのような、いつか見たとても傷付いて見えた敦賀さんのようで、訊かないわけにはいかない気もしてキョーコは姿勢を正し

「お話して下さい、そして私も敦賀さんにお話したい事があるんです」

どんな内容の話でも自分に逃げ道は作らないとあえて先に伝えた。
そして蓮は「有難う」と短く言ってゆっくりと自分の過去について語り始めた。


蓮の生い立ち、過去、子供の頃から俳優を目指していたが上手くいかず段々荒れすさんで人を傷つけたこと。自分のせいで大切な人を失った事。キョーコはいつか坊の姿のときに話をしたときの蓮の辛そうな表情のわけがこういうことだったのかと納得できた気がした。

「…それで俺が身動きできない状態を父が見かねて社長に相談して日本で芸能活動する事になったんだ」
「日本で?」
「ああ、今までの話からして日本での出来事じゃないのは予想できたと思うけど・・・俺はアメリカから来たんだ」

そう言ってポケットから小さなケースを取り出す。キョーコは視力は悪くないがそれがコンタクトレンズの保存ケースなのは分かった。
蓮はケースのキャップを取り、下を向いて片目に手を当てそれをはずしてキョーコをまっすぐに見つめた。
指先には今までつけていた瞳の色のレンズ。という事は今の瞳の色、綺麗な青い色が蓮の本当の瞳なのだろう。

「これが俺の本当の姿・・髪の毛も染めているから本当は金髪だ・・こんな、周りの人を騙し続けてる俺だけど君には俺の本当の事を知って貰いたかったんだ」

蓮はもう片方のレンズもはずしキョーコに向き直った。

「最上キョーコさん、俺は君のことが好きです」

キョーコは数秒固まったまま動けなかった。まさか蓮の口からそんな言葉を訊けるとは思ってもみなかったからだ。そしてさっき止まった涙がまた流れ落ちた。

「ごめん、混乱させて…でも」
「違うんです」

蓮の言葉をさえぎりキョーコは続けた。

「敦賀さんに好きなんて言って貰えると思ってなくて・・・私は敦賀さんの過去に何があってもどこの国の人でも敦賀さんであることに変わりはないんです」

それはキョーコが蓮に気を使ったわけでもなく、心からの本心だった。そして事務所でも知っている人はほとんどいないのではないかという内容の話をして、自分を曝け出してキョーコを好きだという言葉に嘘やからかいなどないことも理解していた。
蓮はそれを訊いて安堵したような顔になり、キョーコの濡れた頬に手を添える。
キョーコは少し照れくさくなり頬を染め蓮の手に自分の手を重ねた。

「私は・・私も敦賀さんの事が好きです。ヒール兄弟が終わったら言おうって決めていたんです」

蓮はこれ以上ないくらいの極上の笑みを見せ、キョーコの隣に回りこみ強く抱きしめた。

「ありがとう・・愛してる」
「!!!・・・何か恥ずかしいです」
「でも、本当の事だし・・」
「やっぱり、敦賀さん日本人じゃないですね」
「やっぱりって・・」

そんなやり取りをしながらいつまでも抱き合う二人だった。



続く


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

sidetitleプロフィールsidetitle

パピちゃちゃ

Author:パピちゃちゃ

sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitleFC2カウンターsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleリンクsidetitle
【当ブログへのリンクについて】 二次ルールを守っておられる「ス・◯・ビ」二次作家サイト様に限り、リンクフリーです。相互リンクさせていただきたいので、お手数ですがリンクを貼られる前にご一報ください。尚、原作者様の作品画像やアニメ画像を無断掲載をされているサイト、ただ読み&無料視聴など違法な方法を紹介するサイトからのリンクはお断りいたします。 (リンクはトップページにお願いいたします)
sidetitleブロとも申請フォームsidetitle

この人とブロともになる

sidetitleQRコードsidetitle
QR
sidetitleメールフォームsidetitle
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。