スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

呪縛を解くのは・・・(13)

こちらは今日もすっきりしない天気です。この時期洗濯物が生乾きで嫌ですよね~。先週は真夏のような暑さの日があったけど今週はどうなるでしょう。
このシリーズ、最近短めでしたが今回はいくらか長いと思います。

(そろそろね・・)

ジュリエナはすぐに出かけられる様手早く準備を整えちらりと時計を見やった。そしてソファーで眠ってしまったキョーコのそばへ寄り、先ほど掛けてずれてしまった上掛けを直しながら乱れた髪を整えるように頭を撫でた。
泣き腫らして涙のあとが残っている・・・。
この子はどれだけ辛い事を抱えながら過ごしてきたのだろうとジュリエナは固く目を閉じ思いを馳せていた。
ダークムーンの打ち上げの映像・・。その時のキョーコの視線に瞳の揺らぎ。
他の人には気付かれてない様だったがジュリエナには直感で解ってしまった。
キョーコの視線の先に誰がいるのか、そしてなぜかそれを閉じ込めようとしている。それは蓮も同じで、気持ちを押し込めているように見えた。

(彼の方は人物設定が温厚な紳士のようだから欲望のまま突っ走るなんて出来ないのかもしれないけれど、この可愛いキョーコを前にしてよく我慢できるわね~)

なかば呆れつつ少しホッとしていた。本気で心から人を愛せるようになったことを。
まだ両親の元で暮らしていた頃何度か「彼女」と称される女の子達を紹介された事はあったが、ジュリエナは自分の息子に違和感を覚えていた。傍から見れば彼女たちを大切にしているように見えるが、それは愛情からくるものというより付き合っているから大事にしているという風に見えてぃた。
そんな息子がやっと真剣に恋愛するようになった。最愛の我が子を遠い日本にやり、会うこともできず辛い思いもしてきたが、今となってはこれでよかったのだと思うジュリエナだった。

“あの子を救ってくれてありがとう”

ジュリエナは小声で囁きキョーコの額へキスを一つ落とすと同時にチャイムがなった。
ドアを開ける前に母親の顔から女優の顔になり訪問者を迎える。

“あら、あなたが来てくれたのね?”
“…彼女に何をしたんです?”

強い眼差しに怒りを滲ませた声で蓮が問う。
そんな蓮に目の前の女優は少しも動じることなく

“内緒よ”

と言いウインクして小悪魔のように微笑した。

“なっ!”
“だって女の子同士の秘密だもの・・・ただ悪い魔法にかかっていたみたいだから・・”
“魔法?”

蓮が聞き返してもそれ以上の返答はなく、キョーコをベッドまで運んで欲しい事を頼み、そして

“すぐに帰ってくるから私のお姫様に変な気起こしちゃだめよ?”

とクギをさす事も忘れずに出て行った。
そんなジュリエナに言葉を返す事もできず数秒固まってしまった蓮だが、ハッと我に返りキョーコの元へと足を進めるとソファーに横たわっているのを見つけ傍に屈みこんだ。

「最上さん?」

一応声を掛けてみるが反応はない。そしてその顔はやはり泣き腫らして涙の痕が残っていた。蓮は痛々しく残る痕
を優しく撫でた。

「ん…」

キョーコは一瞬顔をゆがめたが起きる気配はなく、蓮は一瞬ふわりと香ったそれに眉をしかめ、辺りを見回した。
そしてテーブルに残っている紅茶のカップが目に付きそれに顔を近づけて

「ブランデー…」

(あの人は!アルコール入りを飲ませたのか!!…いや、でも紅茶に入れるのは香り付けに垂らす程度だろうけど…でもこの子のこの状態は…)

キョーコは泣きすぎたから顔がほんのりと染まっている様にも見えるしアルコールが入っているからの様にも見える。もう一度キョーコの顔を覗き込むと、閉じられた瞳からすっと一筋雫が流れ落ちた。
蓮は衝動的にそれを指で拭い瞼に唇を寄せた。辛い夢が覚めるように額へも一つ頬へも一つそして唇へ触れた瞬間キョーコの瞼が重そうにあがった。

「…最上さん?」

蓮は寝ている間に触れてしまった事への罪悪感で複雑な笑みを浮かべながら声を掛けるがキョーコはぼんやりとして

「ジュ…リ……さんが…わる……魔法…王子……いてくれ…るって…」
「え?何?」

蓮が聞き返してもキョーコはとろんとした瞳でみているだけで、そんな様子が蓮を煽っている事などキョーコには分からないであろう。

(魔法、王子とくれば…)

蓮は少し考え、まだ夢うつつな少女に問いかけた。

「最上さん、俺が君の王子になって悪い魔法といてあげようか?」

もしキョーコが正気であったなら、神々スマイルでこんな台詞言われたらすぐさま飛び去るであろうが、今はアルコールのせいか寝ぼけているのかぼんやり状態のままだ。答える代わりに零れ落ちる花のような笑みを浮かべ、それは蓮の切れ掛かった理性を破壊するには十分で

(これじゃ寝込みを襲ってるだけだ…)

分かっていてももう蓮は自分を抑えられなくなっていた。優しく頭を撫でて愛を囁き子供をあやすように優しい優しいキスを落とす。何度も何度も。夢心地なキョーコが無意識に蓮のシャツをぎゅっと掴むと蓮はキョーコをふわりと抱き上げた。キョーコは蓮の胸に顔をうずめる様にして瞳を閉じた。
急に蓮の手にズンと重みが増したようで、まさかと思い急いでキョーコをベッドに降ろすと・・・
スヤスヤと気持ち良さそうに眠っているキョーコ・・。
蓮はがくりと項垂れた。

(覚醒してないこの子に手を出す俺も俺だけど、これじゃ目が覚めても夢で片付けられそうだよな…)

蓮は少し思案しキョーコに近づいていった。夢の出来事にさせないために・・・。



続く

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

sidetitleプロフィールsidetitle

パピちゃちゃ

Author:パピちゃちゃ

sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitleFC2カウンターsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleリンクsidetitle
【当ブログへのリンクについて】 二次ルールを守っておられる「ス・◯・ビ」二次作家サイト様に限り、リンクフリーです。相互リンクさせていただきたいので、お手数ですがリンクを貼られる前にご一報ください。尚、原作者様の作品画像やアニメ画像を無断掲載をされているサイト、ただ読み&無料視聴など違法な方法を紹介するサイトからのリンクはお断りいたします。 (リンクはトップページにお願いいたします)
sidetitleブロとも申請フォームsidetitle

この人とブロともになる

sidetitleQRコードsidetitle
QR
sidetitleメールフォームsidetitle
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。