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夕焼けの魔法

はじめて、SSに挑戦しました。ここ数カ月スキビサイトさんにハマり読み漁っているうちに、自分も書いてみたいな~と思い、初めてのブログに四苦八苦しながら書いてみましたが、「難しい!」の一言です。頭で考えていることが上手く文章に出来ず…。これから遅い歩みで勉強していこうと思います。
うっかり読んで、不愉快になっても責任持てませんので、それでも大丈夫な方だけどうぞ。
それは一瞬の出来事だった。


あまり人が訪れることのないラブミー部の部屋へ、先輩俳優の敦賀蓮は時間調整の為に顔を出し、キョーコの入れたお茶を飲んで行くのは時々あることで、今日もキョーコはいつものようにお茶菓子を用意してから手早く紅茶の準備をしていた。
少し離れた窓辺に寄りかかって外を眺めている蓮と他愛ない話をしながらティーポットにお湯を注ぐ。これであとはお茶が出るのを待つだけ、とキョーコは軽く息をついて先輩俳優の方を見た。

(ただそこに佇んでいるだけで絵になる人だわ)
(地味で色気ないといわれている自分と、なんて違いだろう)

だんだんマイナス思考になってきたので軽く頭を振り、ティーポットを持って先に用意しておいたカップがあるテーブルへ向かう。

(うん、いい色)

とカップに注がれる紅茶を見てから、ふと、光の気配を感じて顔をあげた。
今は夕方。今日は少し曇の多い天気だったが、雲間から夕陽が出てきたのだろう。向かいのビルの窓に反射してこちらまで光が差し込んできた。光は少し斜めに寄りかかっている蓮にも当たり、眩しそうに眼を細めていたその姿を見てキョーコは思わず

「コ…‥―ン!?」
「え?」

蓮はよく聞き取れずに聞き返してキョーコに目をやった。その途端あわてて

「最上さん!紅茶溢れてる!」
「‥‥え、うわ!いや~っ!!!」

カップとソーサーから溢れてきたそれはテーブルに流れ出し、床にも滴がポタポタ落ち始めている。

「ももも、申し訳ありません~!すぐ片付けますのでっっ」

キョーコが慌てて台布巾を取りに行く間に、蓮は床に落ちた滴をティッシュで拭いている。

「敦賀さん!私がやりますから!」
「いいから。床はそんなに零れてないから大丈夫。それよりやけどしなかった?気を付けないとだめだよ?」

ふわりと優しい笑顔で言われ、
「すみません」と、少ししゅんとしながらテーブルの方を片付ける。かがんで床を拭いている蓮の頭が目に入ると、

(どうして敦賀さんがコーンに見えるんだろ‥光が当たっていても髪の色は違うし、瞳の色だって……でも前にも見えた事がある、軽井沢ロケの時に‥‥)

ぼんやりと思考の小部屋に入っていたが、あっ!と我に返り
「後は私が‥」と、しゃがみ込む。「ん?」と蓮が顔をあげたとき、普段ならこんなに至近距離にあるはずのない顔がそこにあった。

(近くで見ても整った顔、でもよく見ても瞳の色は違うのに)

キョーコは、その瞳に吸い込まれるように見つめたまま目が離せなかった。我を失っているのか、そこだけ時間が止まっているような、異空間になっているような不思議な感覚。そして近くにあったお互いの顔が更に近づいた。



永遠のように思われたが実際はほんの数秒の後、ドアのノックの音と蓮のマネージャー社の声で、その空間は破られた。

「キョーコちゃん、蓮来てるかな?」

口元を手で触れ、大きく瞬きしたキョーコは

「あ、はーい、どうぞ~いらっしゃいますよ」と声をかけて立ち上がり、入ってきた社に
「今紅茶こぼしちゃって、敦賀さんにも拭いていただいてたんです」

と、少しばつが悪そうに頬を赤らめながら言った。

「今入れなおすところなので、社さんもどうぞ?」

「うん‥‥ありがとう」と言いながらキョーコの後姿を見て、担当俳優を見ると、床を拭いたのであろうティッシュを捨てている所だった。
その後は三人で世間話などしながらお茶を飲み、蓮と社はラブミー部を後にした。地下駐車場に向かいながら社が

「なぁ蓮、もしかしてキョーコちゃんに何かした?」
「え?いいえ、なぜですか?」

少しの動揺も見せずにしれっと言う蓮。

「さっきお茶入れなおしてる時、お前の位置からは見えなかっただろうけど、後ろから見ても分る位首まで真っ赤だったぞ」
「!!」

一瞬の表情の動きを社は見逃さなかった。

「まったく、、蓮、順番違うだろー」

大きくため息をつきながら、なおもぶつぶつ言いながら先を歩く。

(次に彼女に会った時、どういう反応するだろうか?無かった事にされるのか、夢の出来事にされるのか、自分の存在さえ抹消されるのか‥)

最後は勘弁して欲しい所だが、蓮はそれを許される立場ではないのだ。しかし先程のキョーコはいつもと様子が違っていた。あんなに近づいていたなら、真っ赤になって飛び退くか、すごい形相で固まるかするはずなのだ。それが、まるでそうすることが自然な事のようにお互いが引き寄せられた。

(何にしてもこのままにはしておけない)

蓮は先を歩く社に声を掛けた。

「社さん、最短の日にちで夜早く上がれる日はいつですか?」

社は振り向かなくても分かった。彼が今似非紳士スマイルでいるであろうことを。



終り







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